第一日目。クジラか、魚か、あるいは……?

報告

 一八六六年、奇妙な事件が人々を動揺させている。しばらく前から、何隻かの船が海上で、「長く、両端のとがった、ときおり燐光を発し、クジラよりもはるかに大きく、速い物体」に遭ったという報告が相次いでいる。こうしたバケモノの特徴は、目撃した人々の証言において、ほぼ正確に一致している。この超自然的なバケモノが全世界にセンセイションをまきおこしているのである。
 目撃者の報告を2つ、実際に見てみよう。

  • Report01)一八六六年七月二十日、カルカッタ・アンド・バーナッチ汽船会社のガバナー・ヒギンソン号。ベーカー船長はオーストラリア海岸の東方五マイルで、バケモノに遭遇。バケモノは二本の水柱を吹き上げ、空中50メートルに達したという。
  • Report02)同年七月二十三日、太平洋で、西インド・太平洋汽船会社のクリストバル・コロン号。

Report01、02が事実であり、また、目撃されたバケモノが同一の存在であるならば、この異様なクジラ?は、たったの三日間で、オーストラリア海岸のポイントから、太平洋のポイントまで、700マイル以上もの距離を移動していることになる。一マイルは1852メートルであるから、
1852*700/1000=1296.4、すなわち、1296.4キロメートルも進んだのだ。……これは、すごい数字なのだろうか?僕にはよくわからないけれど、どうも、すごいことらしい。

 それにしても、バケモノの正体はなんなのだろうか?Report01の水柱から、クジラか、未知の巨大な魚か、それとも……?僕も世界中の多くの人々と同じように、好奇心から、バケモノの正体について色々と思い描いてみるが、まったくわからない。もう少し、他にも報告が手に入らないか、注意しておこう。

学んだこと、気になること。

  • 海にバケモノが出没している。でかくて、速くて、水を噴き、挙句には光るらしい。
  • 小型船長はスキッパー、大型船長はマスターと呼ばれるらしい。
  • キュヴィエ、ラセペード、デュメリル氏、ド・アトルファジョ氏。

…誰?クジラの研究者だろうか?

一言

まだ、テンプレがかたまっていない。
僕の、目下の最大の目標は、魔の第三日目を乗り切ることである。
こ、こわいよー。