9月の読書

9月の読書メーター
読んだ本の数:16冊
読んだページ数:3917ページ

サルトル (ちくま学芸文庫)サルトル (ちくま学芸文庫)
今更サルトルでもないだろ、と言いつつ読む。全共闘の思想がなんとなくわかる気がする。自己欺瞞の話とかは納得できる部分もあるけど「そううまくいかねえだろ」と思う。ふーん、おぼっちゃんだからじゃないの?つぎは「実存主義とは何か」を読みたい。というかサルトルの著作で他に読みたい本がない。
読了日:09月22日 著者:ドナルド・D. パルマー
身体を通して時代を読む―武術的立場 (文春文庫)身体を通して時代を読む―武術的立場 (文春文庫)
時代を見ることで武道がわかる、武道を見ることで時代がわかる。内田先生はま、いつもの話。甲野さんの人となりがぼんやりわかってよかった。「鉄の馬がぱかっぱかっと荷を引く」って話は甲野さん由来だったことを知る。あと内田先生がテレビゲームはダメだなって言ってるのにちょっと驚く。ジェネレーションギャップだね。「ゲームではない」といわれるサウンドノベルとか参照したらゲーム悪玉論は無効でしょう。メインのRPGTRPGから発展してきたんだし。ちなみにぼくは目のゲームと手のゲームがあると考えてる。それはまたべつに。
読了日:09月22日 著者:甲野 善紀,内田 樹
文明の衝突と21世紀の日本 (集英社新書)文明の衝突と21世紀の日本 (集英社新書)
ぼくは本書をフクヤマの「歴史の終わり」に対するハンチントンの応答だと受け取った。フクヤマは冷戦以後、対立を構成していた諸イデオロギーは失効して物語は終息に向うだろうと予見した。でも端的には9-11は歴史が終らないことを示した。ハンチントンは2大帝国によるパワーゲーム的図式であった冷戦以後の世界は不可避的に多極化していくと説く(たぶん)。その構成要素はイデオロギー圏ではなく文明圏である。こうした世界でどうやったら「伝染するアモルファスな暴力」を停止できるのか。イデオの普遍性ではなく共通項のブリコラージュへ!
読了日:09月17日 著者:サミュエル・ハンチントン
動物化する世界の中で ―全共闘以後の日本、ポストモダン以降の批評 (集英社新書)動物化する世界の中で ―全共闘以後の日本、ポストモダン以降の批評 (集英社新書)
いやはやすさまじい一冊である…なんて突き放すことができないすさまじさが本書にはある。まだ整理がつかないけれど、ふたりの対立でありすれ違いは、人間は放り込まれた時代の空気に深く広く規定されてしまうのだということを教える。世代的には東さんに近いからか東さんの主張は概ねすごく納得できる。ありうるとすればイデオなきイデオロギーなんだという下りは時代の覚悟みたいなものを感じた。でも一つだけ。後続する世代の体験だけが共通の土台だという主張の根拠が「往復書簡の限定」しかないとすればちょっと違うんじゃないだろうか。
読了日:09月17日 著者:東 浩紀,笠井 潔
思想としての全共闘世代 (ちくま新書)思想としての全共闘世代 (ちくま新書)
全共闘は、そのものの体験については実際にはあくまで後退戦であってお祭りみたいなものだったんだな、ということと、全共闘の(非-)組織は中央集権的なモデルではなくリゾーム状だったという指摘はすごく納得。また当事者としての小阪さんの証言として全共闘以後の喪失感みたいな感覚は、ぼくはそれを知っていると強く感じた。根無し草的心性、街場の思想。もうなんにもない、あらゆる関係が喪われてしまったという絶対の悲しみ。それは、ぼくの場合遠くは幼少期の引越し体験に起因するんじゃないかとおもう。それが原体験じゃないか。
読了日:09月17日 著者:小阪 修平
これが現象学だ (講談社現代新書)これが現象学だ (講談社現代新書)
久々にオーバーキャパシティの知恵熱が出た。現象学フッサール自身が言うように「自分で考える」「基礎づけの」「厳密学」である。術語がみんな自前だから拾っていくのがしんどい。結局ぼくにとっての現象学は直接経験論、超越論的論理学だろう。厳密学や諸学の基礎づけみたいなことにはあまり興味がわかない。また印象に残ったのは、たとえばノエマ的意味と基体Xと言うとき、それは言語学におけるシニフィアン/シニフィエに接近している。それと直接経験からメルロ・ポンティの身体論やアフォーダンス理論への道も繋がる。むつかしかった。
読了日:09月13日 著者:谷 徹
とある魔術の禁書目録(インデックス)〈21〉 (電撃文庫)とある魔術の禁書目録(インデックス)〈21〉 (電撃文庫)
みんな書いてるけどまさかの不発むぎのん。長すぎて二冊に分けたそうなので次回はぜったいむぎのんのターンがまわってくると思うね。浜面は本来ロシア来ちゃいけない子だな。上条さんならなんとかなるだろうという気がするけど浜面は危なっかしい。
読了日:09月11日 著者:鎌池 和馬
とある魔術の禁書目録(インデックス)〈20〉 (電撃文庫)とある魔術の禁書目録(インデックス)〈20〉 (電撃文庫)
なんだっけ、表紙のこの娘?は。レッサー?イギリス編読み直したほうがよさそう。ロシアは寒いしなんにもない。マックくらいだよ。学園生活がもっと読みたいよお。
読了日:09月11日 著者:鎌池 和馬
若者殺しの時代 (講談社現代新書)若者殺しの時代 (講談社現代新書)
ちきりんさん( @InsideCHIKIRIN )のご紹介。みんなの感想をちらっと見てもわかるように、ぜったい本書の文体であり構成はきらいな人はすごいいやだと思う。ぼくも自分一人じゃ読まなかったと思う。でもこういう本はしばしば映画なんかに出てくる「何とはなしに拾ったガラクタ」みたいなもので、それが何であるかがわかるのにすごい時間がかかる。そのときになって「ああ、あれってこれだったのか」ってことが分る種類の知なのだと思う。というわけでよくわかんないけど面白かったし、今はすごく示唆的だったってお茶を濁したい。
読了日:09月11日 著者:堀井 憲一郎
演劇入門 (講談社現代新書)演劇入門 (講談社現代新書)
ホントに劇を書くための本。演劇について学ぶということは劇を生きるということだっていう平田さんの考えがパフォーマティブにあらわれていると思う。演劇と哲学とは双子として古代ギリシャに生を享けたんだっていうのは気がつかなかった。世界とは何か、真とは、善とは、美とはなんなのか。演劇の生の中でもやっぱりそれが問題なんだ。
読了日:09月11日 著者:平田 オリザ
図説 ヨーロッパ服飾史 (ふくろうの本/世界の歴史)図説 ヨーロッパ服飾史 (ふくろうの本/世界の歴史)
鮮やかな資料を見ていくとモードにはその時々の人間の考えやイメージや感情が表れるんだってことがすごく実感できる。あと「女性服飾は世界の文化を消化して来ている」っていうのはああ、そうか!と思った。ところで鷲田先生によれば、ファッションとは「隠すべきものは何もないことを隠す」事態である。恥ずかしいから隠すんじゃなくて隠すから恥ずかしかったことになる。下着を何枚も重ねて着る趣向は大変よくわかる。水溜りを越えるためにスカートをたくし上げる貴婦人を後方からニマニマ見つめているダンディなひげのおじさんの気持ちも。
読了日:09月11日 著者:徳井 淑子
総員玉砕せよ! (講談社文庫)総員玉砕せよ! (講談社文庫)
平成生まれのぼくには全く意外なことに、下級兵士から見た前線はノンキでさえある。「腹減ったな」「あ、屁が出た」「女の子いないかな」「上官の奴人をこきつかいやがって」でもそんな目先の日常的な風景は、戦傷と熱病と爆撃の死の風景に直結している。玉砕は皇国イデオロギーでも戦術上の冷たい論理によってでもなく、指揮官のつまらないプライドの為に命ぜられる。バナナをほおばるノンキさと同じくらい無邪気で無意味である。ところで日常と戦禍の直結というセンスは今日まで生きている気がする。日常=らき☆すた、戦禍(セカイ系)=エヴァ
読了日:09月08日 著者:水木 しげる
ベンヤミン (ちくま学芸文庫)ベンヤミン (ちくま学芸文庫)
旅するベンヤミン。ベルトに会う、テディに会う。触覚的芸術(レリーフ)から視覚的芸術(遠近法)へ。そして、大雑把に、反宗教改革プロテスタンティズムと資本主義とバロック形式ドイツ悲劇とニヒリズムと近代の「断片化/中央集権化」がひとつらなりに理解できる。それで、バロックの「廃墟化」と「はかなさ」は竹内整一さんの「かなしみ」論に接続できるんじゃないかと思う。例えば独歩の「要するに悉、逝けるなり」なんて思いっきりバロック(過剰さ)だよね。
読了日:09月06日 著者:ハワード ケイギル,リチャード アピニャネジ,アレックス コールズ
人間失格 (集英社文庫)人間失格 (集英社文庫)
読了日:09月01日 著者:太宰 治
新左翼とは何だったのか (幻冬舎新書)新左翼とは何だったのか (幻冬舎新書)
読了日:09月01日 著者:荒 岱介
仏教ではこう考える (学研新書)仏教ではこう考える (学研新書)
読了日:09月01日 著者:釈 徹宗

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