8月の読書

8月の読書メーター
読んだ本の数:28冊
読んだページ数:6275ページ

マクルーハン (ちくま学芸文庫)マクルーハン (ちくま学芸文庫)
「メディアはメッセージである」余りにも有名なフレーズだが、どういうことか。それは「問題は内容ではなく効果である」ということだ。けれどももちろんメッセージとはディス・メッセージではない。記者クラブなる伝えないことから受益する中間搾取業者はメディアではない。「ニッポンのジャーナリズム」はメディアではない。不問の不敗の絶対の、死神の立場を先取し、自分以外の一切の変化を声高に要求する態度に、耳を澄ませる習慣を持たない者に「微かに触れてくる音」が聴こえるだろうか?断じて否!繰り返そう。「メディアはメッセージである」
読了日:08月29日 著者:W.テレンス ゴードン,W.Terrence Gordon,宮澤 淳一
カント入門 (ちくま新書)カント入門 (ちくま新書)
第一にカント哲学とは仮象批判だ。ここから考え始めるのがカントを理解するポイントになる。仮象とは見かけのこと。若き日のカントは知識欲に燃え、なんでも知りたいと思う一方で無知な者をバカにしているところがあった。ある日カントはルソーに出会う。そしてルソーを通して人間と人間の理性に対する尊敬を抱くようになる。かつてのカントにあった知識欲もまた他律であり得られた知識もやはり仮象にすぎなかったのだ。じゃあどうやって考えるか。そこに血の通ったカントの姿がある。「天におのれを懸けるものなく、地におのれを支えるものなし」
読了日:08月27日 著者:石川 文康
新しい風土記へ 鶴見俊輔座談 (朝日新書)新しい風土記へ 鶴見俊輔座談 (朝日新書)
「知をときほぐす」という鶴見さんの口ぶりを見ると、彼の中でもやっぱり思想は身体の次元にしっくり落とし込んでいないと真には生きてこないんだ、と考えてるみたい。これは「拳を通して表現することのできない思想を語るな」に通じる。如何に生くべきか、どういう風に自由なのか、不自由なのか、自分ではどう考えるのか。それがないとなんにもならない。そこでもんどりうって格闘しないと、ダメなのだ。犀角独歩、あるいは林の中の象のように。「何者にも頼らず、何者も自己の支えとしないことによって、すべてを我がものにしなければならない」
読了日:08月25日 著者:鶴見俊輔
エア・ギア(29) (講談社コミックス)エア・ギア(29) (講談社コミックス)
読了日:08月22日 著者:大暮 維人
バガボンド(1)(モーニングKC)バガボンド(1)(モーニングKC)
読了日:08月22日 著者:井上 雄彦
レヴィ=ストロース入門 (ちくま新書)レヴィ=ストロース入門 (ちくま新書)
読了日:08月22日 著者:小田 亮
手塚治虫「戦争漫画」傑作選〈2〉 (祥伝社新書)手塚治虫「戦争漫画」傑作選〈2〉 (祥伝社新書)
読了日:08月21日 著者:手塚 治虫
「市民」とは誰か―戦後民主主義を問いなおす (PHP新書)「市民」とは誰か―戦後民主主義を問いなおす (PHP新書)
読了日:08月21日 著者:佐伯 啓思
あそびにいくヨ! 13 (MF文庫J)あそびにいくヨ! 13 (MF文庫J)
読了日:08月21日 著者:神野 オキナ
ONE PIECE 59 (ジャンプコミックス)ONE PIECE 59 (ジャンプコミックス)
読了日:08月21日 著者:尾田 栄一郎
ユリイカ2005年10月号 特集=攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEXユリイカ2005年10月号 特集=攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX
読了日:08月21日 著者:
赤頭巾ちゃん気をつけて (中公文庫)赤頭巾ちゃん気をつけて (中公文庫)
読了日:08月21日 著者:庄司 薫
ライ麦畑でつかまえて (白水Uブックス)ライ麦畑でつかまえて (白水Uブックス)
読了日:08月21日 著者:J.D.サリンジャー
変ゼミ(4) (モーニングKC)変ゼミ(4) (モーニングKC)
読了日:08月21日 著者:TAGRO
すぐわかるラグビー―ルールと試合すぐわかるラグビー―ルールと試合
読了日:08月21日 著者:
街場のメディア論 (光文社新書)街場のメディア論 (光文社新書)
読了日:08月20日 著者:内田 樹
腐女子化する世界―東池袋のオタク女子たち (中公新書ラクレ)腐女子化する世界―東池袋のオタク女子たち (中公新書ラクレ)
驚くほど腐女子についてなんにも理解が深まらなかった。というか「東池袋=腐女子の聖地」って時点で書棚に返してよかった気もする。杉浦さんはどうして乙女ロードであって腐女子ロードでないのか、疑問を持たなかったのだろうか?それと、本筋とは関係ないけど、女子校の価値闘争について。あるとは言わないけど、あるとみんなが信じてるみたいだって感触をようやく理解。もしぼくが女子校に通っていたら(通わないけど)、恐らくあらゆるものが嫌になって、ロックの道をひた走ってたと思う。たぶん。
読了日:08月14日 著者:杉浦 由美子
平成女子図鑑―格差時代の変容 (中公文庫)平成女子図鑑―格差時代の変容 (中公文庫)
三浦展。「かまやつ女」のキャッチーさ(死語)にやられて思わず手に取る。寡聞にして今日の女性誌についての予備知識が全くなかったので大変勉強になった。三浦さんの指摘はどれもすごいんだけど、特に、「格差は指差的に外形に表れる」ということ。その人の階層は(今日の日本には「階層」が存在するのである)読む雑誌、服装、遊んでる街、なんかで分るというのだ。「何読んでるの?」「こちらがノンノ、そちらがBLENDA、あちらがRay、で、きみがSoup。」「それぞれ青山、渋谷、銀座、下北沢にいる、当たってる?付け焼刃だけど」
読了日:08月11日 著者:三浦 展
権威主義の正体 PHP新書 330権威主義の正体 PHP新書 330
「ガミガミ上司からホロコーストまで」本書を手に取るのは「権威主義的態度を好ましく思っていない」、また、「自分が権威主義者であっても自覚がない」はずだ。もちろんぼくも両方とも当てはまる。権威主義とは、ある教条が強化されると次第に階層を作り中央集権化し批判を封じ込め絶対の忠誠を要求し権威主義的人物を引き寄せそうでない人を排除しいよいよその濃度が高まっていく一連の現象を言うのである。ところで本書は記述が箇条書きっぽくてちょっと飽きる、目次でわかる話だけどね。でもそれはどうもそもそものアドルノさんからそうみたい。
読了日:08月11日 著者:岡本 浩一
源平の風 (白狐魔記 1)源平の風 (白狐魔記 1)
「白ぎつね」「仙人」「武士」「妖術」、これらがきらいな子どもなんていません!!人間って何か、キツネの白狐魔丸が、ぽつぽつと考えていく。
読了日:08月09日 著者:斉藤 洋
グロテスクな教養 (ちくま新書(539))グロテスクな教養 (ちくま新書(539))
「哲学の第一の美点は何の役にも立たないことだ」こういった反骨は伝統的教養主義と近接している。明治以来、(文脈が多数あるものの)教養主義は日本における反-近代知の王道だった。ところで本書によって、君たちはどう生きるかライ麦畑、庄司薫、鼠四部作にまた異なった筋が与えられた。「君はこれから君が求めているものとは違うものを私から学ぶことになるだろう」太陽の季節?もち、断じて認めん!!「個別の11人」を参照せよ。一方で豊饒の海は拾うけどね。
読了日:08月09日 著者:高田 里惠子
自由と民主主義をもうやめる (幻冬舎新書)自由と民主主義をもうやめる (幻冬舎新書)
進歩主義がきにくわねえ、じゃあどうしたらいいのかと思ってたところで、本書のタイトルが目に留まった。本書では結局「保守」の効用を説く。保守主義とは何か。イギリス(ヨーロッパ)における「保守/革新」とアメリカにおける「保守/革新」とではきれいに裏返っている。というのもイギリスにおける革新の人たちが出て行って国を作ったのがアメリカだからだ。そういうところで、現在の日本のウヨク/サヨクには保守はないと続ける。ラディカル(根源的)な保守とは、理性万能主義進歩主義に疑義を呈し常識に重きをおき漸進的改革を考える立場だ。
読了日:08月07日 著者:佐伯 啓思
カール・マルクス (光文社文庫)カール・マルクス (光文社文庫)
なんとかぜんぶ読んだけど、くたびれた。むつかしいけどよそでやってるマルクス論よりよっぽどマルクスに近づけたような気がする。一周したらもういちど帰ってきたい。
読了日:08月05日 著者:吉本 隆明
名探偵チビー―一角ナマズの謎名探偵チビー―一角ナマズの謎
解けたけど、ちょっとだけ覚えてたw 「お屋敷もの」で、「見立て」。ちょっとだけラブロマンスもあります。
読了日:08月05日 著者:新庄 節美
名探偵チビー―黄金カボチャの謎名探偵チビー―黄金カボチャの謎
解けた解けた。旅先で事件に遭遇する、ってパターンのやつをやりたかったんだとおもう。ブラフはちょっと萎えたけどね。
読了日:08月05日 著者:新庄 節美
世の中がわかる「○○主義」の基礎知識 (PHP新書)世の中がわかる「○○主義」の基礎知識 (PHP新書)
特に印象に残らない。地味だけど良い仕事してると思う。読んで損はない。
読了日:08月04日 著者:吉岡 友治
アフォーダンス入門――知性はどこに生まれるか (講談社学術文庫 1863)アフォーダンス入門――知性はどこに生まれるか (講談社学術文庫 1863)
アフォーダンスとはまだそれをそれと知らない意味であり、しかしすでに知っているようにしてそれを知ることを可能にする」たぶんアフォーダンスは、暗黙知や先見的統覚や超越論的直観と同じもの…だと思う。たぶん。既に投げ込まれている環境を、探索する行為によって探索される可能性としての意味が行為の可能性を規定する、ってこと。
読了日:08月02日 著者:佐々木 正人
孔子の哲学 (シリーズ・道徳の系譜)孔子の哲学 (シリーズ・道徳の系譜)
本書は最後まで「仁とは何か」を主題として書いているんだけど、結局のところ仁とは何かが明らかにされない。これと同じことを九鬼先生がしている。「粋/野暮」がそれである。 礼とは「人間であること(及びそれを為すこと)」のコンスタティブな側面を指し、仁はそのパフォーマティブな側面を指す。 人間は不完全か矛盾を抱えておりその欠落をエロスによるファンタジー(価値)が満たす。だが仁とは、その価値を明晰判明な形式として「釘付け」にし、これを無力化する戦略ではないか。これはすぐれてラディカル(根源的)な実践である。
読了日:08月02日 著者:石川 忠司

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