4月の読書メーター

4月の読書メーター
読んだ本の数:29冊
読んだページ数:5667ページ

トゥー・エスプレッソトゥー・エスプレッソ
これは大人のマンガだと思った。ただエロい、ただグロい、あるいはただ使えるってんじゃなくてさ、肌触りであり匂いであり、ぽた、ぽた、と、コーヒーのドリップを見つめていく時間の流れ方が大人だと思った。で、ぼくは本書の感想をうまく書けない。それこそがガキの証しなんだろうな…とほほ。
読了日:04月30日 著者:高浜 寛
吉本隆明 FOR BEGINNERS吉本隆明 FOR BEGINNERS
入門なら「FOR BEGINNERS」。とりあえず読んだ。ここで押さえておきたいのは、みんな吉本隆明に熱中してたんだってこと。その雰囲気をまずわかっておいたほうがいい。
読了日:04月30日 著者:吉田 和明
アニメはいかに夢を見るか―『スカイ・クロラ』制作現場からアニメはいかに夢を見るか―『スカイ・クロラ』制作現場から
本書において一番大事なのは、スカイ・クロラでは押井さんは培って来た表現手法を自ら禁じているんだけど、それはどうしてなのか、ということが明らかにされていること。押井さんによれば、それは齢ももうすぐ60というところまで来て、人生がワンシーズン巡ったんだという実感があった。それで改めて「若い人」の方を、逸らすことなく向き直っていこう、というのがあった。言うべきことなんてないぜ、だったのが、「生きてるのか死んでいるのかもわからない日常」を肯定していくんだ、ってなってるみたい。
読了日:04月30日 著者:押井 守
悪人正機 (新潮文庫)悪人正機 (新潮文庫)
いろいろな話があるんだけど、一番「あー、聞いてよかったなあ」と思ったのは、焦ったって仕方がないんだぜってこと。そうか、そうだよなーって感心した。
読了日:04月27日 著者:吉本 隆明,糸井 重里
生と権力の哲学 (ちくま新書)生と権力の哲学 (ちくま新書)
たぶんネグリさんのいう「帝国」みたいなことは真剣に考えていかないといけないと思うんですね。だけど、なんか違うような気がする。外部なき「帝国」で、それでぜんぶなんだ、人間なんてもう終っていくものだし、超越権力はぜんぜん認められないんだっていうのはやっぱり違和感がある。想像力が貧困なのかもしれないし、帰納的思考はそこそこ間違いなのかもしれない。でも、やっぱ肌感覚でわかるものしか信じられないっていう(「マルチチュード」に対する)古典的な「大衆」的考えみたいなものが自分の中にある。そっちを優先します。
読了日:04月27日 著者:檜垣 立哉
悪党の金言 (集英社新書 475B)悪党の金言 (集英社新書 475B)
それにしてもこれは錚々たる顔ぶれである。保坂さん、森さん、内田先生、重松さんの本は読んだことがあった。佐藤さんは名前とお顔は存じていたけれども、「外務省のラスプーチン」って怖ぇぇって思ってたw島田さん、田中さん、溝口さんはぜひ読んでみたいです。しかしよくこんなに集めたなー。インタビューとしての出来みたいなものはぼくには判断できないんだけど、引き込まれて一気に読んでしまったのは、書いておきたい。
読了日:04月26日 著者:足立 倫行
12歳からの現代思想 (ちくま新書)12歳からの現代思想 (ちくま新書)
「自由」とか「性」とか「民主主義」とか「ロボット/サイボーグ」について、「改めて考える」ってことができるんだということがわかるので、入門には結構いいと思う。
読了日:04月24日 著者:岡本 裕一朗
逆説の日本史〈2〉古代怨霊編 (小学館文庫)逆説の日本史〈2〉古代怨霊編 (小学館文庫)
おもしろかった。確かに少し主張がうるさいんだけど、ひとつひとつピースを置いていく感じがスリリングで楽しい。御霊信仰を根っこにおいて、話はみんなそこから始まるのでわかりやすかった。
読了日:04月21日 著者:井沢 元彦
未来形の読書術 (ちくまプリマー新書)未来形の読書術 (ちくまプリマー新書)
気に食わない。文学のテクスト(とそれを扱う人)を特権化したいように見える。文学のテクストと評論のテクストを分ける線が実在してるって言うのだろうか?「誤読の自由」はあらゆるテクストにおいてすでに現に開かれていると思う。あるいは、「空白」に「宝箱」を埋めるっていう表現が気に食わない。宝とは読者が勝手に読むものだというのはいいけど、その宝=解釈を、さらにほかの人に評価される必要があるっていうのが「下品」だと思う。んなもん「自由」ではないだろう。
読了日:04月20日 著者:石原 千秋
大人は愉しい (ちくま文庫)大人は愉しい (ちくま文庫)
これは大人の味だ。愉快なところは愉快だし、底抜けに盛り上がって明るい。だけど、すれ違ってるところは、実はすごい冷え切っているような気がする。ある種の殺気といってもいいかもしれない、背筋がぞくっとした。一番の収穫は、内田先生はレヴィナス老師をどう考えているのか、を引き出してくれたこと。小題は知性と信仰、だったかな。喜劇役者的知性、喉に残る小骨。
読了日:04月19日 著者:内田 樹,鈴木 晶
青空にとおく酒浸り 1 (リュウコミックス)青空にとおく酒浸り 1 (リュウコミックス)
オヤジさんクソ過ぎてちょっぴり刺激的。しかしこんなめちゃくちゃなキャラを置いてよく話がまとまるよなー。読んでもちろん面白いけれど、なにより作者自身が、描くの楽しいんだろうと思う。
読了日:04月19日 著者:安永航一郎
エア・ギア(28) (講談社コミックス)エア・ギア(28) (講談社コミックス)
惰性で読み続けてるけど、またちょっと熱くなってきた。ぼくは「路地裏的」スケールのほうがいいと思うんだけどなあ。まあ読み続けます。
読了日:04月18日 著者:大暮 維人
新書大賞〈2010〉新書大賞〈2010〉
ブックガイド、といっていいとおもうんだけど、そのいいところは、「まだそれを読みたいと知らない本」を知ることができる点にある。当たり前だけど。新書って、概念の定義とかややこしいことはとりあえず、筆者のカタマリの思考をさ、がっと受け取ることができる、それがいい。それで本書の内、いいところは「私のイチオシ」。みんな好き勝手言ってていい。
読了日:04月18日 著者:
子どものための哲学対話子どものための哲学対話
うーん、そうだなあ。すごいひどいこともずばっと言ってくれる一冊。でもペネトレはホントにひどいことを言う。彼は「澄み切った思想」なんて、ぜんぜん気にしないみたいなんだ。うん、でも、問題は、自分で考えること、それだけだよな。
読了日:04月17日 著者:永井 均,内田 かずひろ
『日本外史』―幕末のベストセラーを「超」現代語訳で読む『日本外史』―幕末のベストセラーを「超」現代語訳で読む
楠正成をフィーチャーしてるあたり、すごく水戸史観的だとおもう。そりゃ、幕末には受けることだろう。でも(現代訳ではあるけど)文体は躍動感があるし、ある程度態度を専門化して書いたほうが、歴史は見えてくると思う。「日本外史」をざっと理解できる、悪くない一冊。
読了日:04月17日 著者:頼 山陽,長尾 剛(訳)
「なぜ」がわかる英文法「なぜ」がわかる英文法
体系的かつ網羅的で、結構いいんじゃないかと思う。準動詞の感覚の違い、とか、わかりやすかった。
読了日:04月17日 著者:中川右也
日本の歴史をよみなおす (全) (ちくま学芸文庫)日本の歴史をよみなおす (全) (ちくま学芸文庫)
大変に面白かった。論点が広範に及ぶので、「こういう本」って一言ではいえないのだけれど、特に、農本主義的日本観がひっくり返されたのが一番すごかった。能登の宇出津にひいじいちゃんのお墓があるんだけど、ここが「海の都市」だったんだと思うと、驚く。市庭が聖俗のマージナルな空間で、それに交易による「律令的なもの」への攪乱があると思うとエキサイティング!いや、攪乱じゃなくてそれが支えてたのか。
読了日:04月14日 著者:網野 善彦
クールベ (新潮美術文庫 23)クールベ (新潮美術文庫 23)
レアリスムの無心な視線によって見つめられたモノの充実感に打ち震える。それは、むしろ多分にロマンティックな精神であるだろう。クールベによるレアリスト、祖述者としての謙虚な自己同定は、彼が描く乾草や風や光に善きことばを与えたように、ぼくには思われる。
読了日:04月12日 著者:阿部 良雄
エーミールと探偵たち (岩波少年文庫 (018))エーミールと探偵たち (岩波少年文庫 (018))
「やあ、エーミール・フィッシュバインくん。」「いえ、ティッシュバインです。」
読了日:04月12日 著者:エーリヒ・ケストナー
博士の異常な健康―文庫増毛版 (幻冬舎文庫)博士の異常な健康―文庫増毛版 (幻冬舎文庫)
読了日:04月10日 著者:水道橋博士
45分でわかる!14歳からの幕末と龍馬。 (MAGAZINE HOUSE45MINUTES SERIES # 10)45分でわかる!14歳からの幕末と龍馬。 (MAGAZINE HOUSE45MINUTES SERIES # 10)
読了日:04月10日 著者:後藤 武士
よくわかる作詞の教科書よくわかる作詞の教科書
詞を作るときにも、人間はうんうん唸って、どのように表現するのかということを苦心する。そういうぎりぎりのところに、なんていうかな、なにかしらの「善きもの」が顕れる。それを考えたくて、本書を手に取る。まあお門違いなんだけどさ、でも、ちょっと考えることができたように思う。
読了日:04月08日 著者:上田 起士
凹村戦争 (ハヤカワ文庫 JA ニ 2-1)凹村戦争 (ハヤカワ文庫 JA ニ 2-1)
ぽけーっと読んでしまった。90年代的な匂いだと思う。こういう感受性は、ちょっとわかる気もするけど、でもやっぱりぼくとは少し違うなー。
読了日:04月07日 著者:西島 大介
SFはこれを読め! (ちくまプリマー新書)SFはこれを読め! (ちくまプリマー新書)
SFはぜんぜんわからないので、勉強したくて読む。ジャンルがたくさんあるんだな、と思ったけど、どれもどこかで少しだけ触れたことがあるような気がする。現代にはSFは瀰漫してるんじゃないかな。気になったのは、『月は無慈悲な夜の女王』、『戦士志願』、『七回死んだ男』、『夏への扉』。
読了日:04月06日 著者:谷岡 一郎
ことこと かるてっと(1) (KISSコミックス)ことこと かるてっと(1) (KISSコミックス)
まず一巻はぐずぐずしている子が社会化されていく、ビルグンドゥスロマン。自分で同定しているように、表紙の四人である種の運命共同体になる。その中で受け入れられていくんだけど、今後は更にその外に広がっていくのかどうか。ここで閉じちゃうと、いわば「安全に痛い」日常系に終ってしまうと思うな。
読了日:04月04日 著者:楠田 夏子
ハチミツとクローバー vol.0オフィシャル・ファンブック (クイーンズコミックス)ハチミツとクローバー vol.0オフィシャル・ファンブック (クイーンズコミックス)
本編を読まずにこれを読んでしまった(・ωく)意外な収穫は、東のエデンの「水上バス」、「番長」(これは森美さんか、微妙な線)が羽海野さん由来だったことに気づいたこと。本編未読の現時点では修ちゃんがかっこいいな、という印象。
読了日:04月04日 著者:羽海野 チカ
未来日記 (10) (角川コミックス・エース 129-15)未来日記 (10) (角川コミックス・エース 129-15)
本書の見所は、雪輝とみねねの対話です。どうも市長さんは二人をぎりぎりのところに追い込んで、本気の話をさせるためのお膳立てにすぎなかったみたいです。自分の日常と他者の生命を天秤にかけなければならなくなるとき、前者を取るのは「悪」か?どうすればいいんだろう。ところで市長に言わせればユッキーは「両親を亡くした日記所有者」と同定されるみたいだけど、なんとなくこれはミスリードのような気がするね。
読了日:04月03日 著者:えすの サカエ
手掘り日本史 (集英社文庫)手掘り日本史 (集英社文庫)
司馬さんは日本や歴史をどう考えてるのか知りたくて読む。一番引っかかったのは、歴史の中の人間、「無思想という思想」(って他の人も言ってた気がするけど)、フライパン的態度と、天皇・世俗権力の二重性への言及。特に歴史の中の人間、ということは、やっぱりそこには人間がいるのだな、と目からうろこだったなあ。
読了日:04月03日 著者:司馬 遼太郎
ちゃんと話すための敬語の本 (ちくまプリマー新書)ちゃんと話すための敬語の本 (ちくまプリマー新書)
「ねェ、先生」ってヘンだよね?ヘンだけどヘンじゃないよね。っていうかむしろ「ねェ、先生」って女子高生に言われたいよね。「地獄先生」でも聴こうかな。そういう本です。
読了日:04月02日 著者:橋本 治

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